【ネタバレ注意】映画『国宝』を国際恋愛中の婚活女子が観たら刺さりまくった話

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婚活

どうも、さっちゃんです。

遅ればせながら『国宝』を観てきました。

なんかSNSでめっちゃ話題で「100年に1本の壮大な芸道映画」なんて言うから、期待が高まりすぎて敬遠してたんですよね、逆に。

しかも、3時間もあるとか長すぎじゃない!?と思って。

しかもしかも、もうすぐ興行収入100億突破するとかしないとか。

100億の男といえば煉獄さんのイメージあるけど、実写映画で100億超えたのは、今のところ

  • 高倉健(南極物語)
  • 織田裕二(踊る大捜査線1・2)

の2人しかおらんらしい。

吉沢亮、3人目の100億の男となるか?

で、『国宝』を観た結果…

めっちゃよかった!

私、歌舞伎とかめっちゃ疎いけど、それでも面白かった。

日本の伝統芸能だけじゃなくて、歴史・文化に触れられるし、国際恋愛中のカップルも楽しめると思う。

残念ながらアメリカでは上映されてないそうなので、英語の字幕版が出たら彼と一緒に観たいと思います。

こういう映画の感想を言い合えるのっていいよね。

でも、大体の人は「面白かった」とか「感動した」とか「イマイチやった」で終わりがち。

そう、見て終わり。

単なるコンテンツの消費。

楽しみ方は人それぞれやけど、なんていうか…もったいないと思うんよね。

映画を通して、何を感じ、どんな気づきを得たのか?きちんと言葉にすることで、恋人に対する理解も深まると思う。

映画デートって、映画観た後の会話が一番の醍醐味よね。

日本の文化を説明するにしても、日頃から言語化する習慣は大事。

というわけで今回は、映画『国宝』について、国際恋愛中の婚活女子から目線でまとめていきます。

  • 『国宝』観たけど、よくわからないところがあった。あれってどういうことだったんだろう…?
  • 理解を深めてもっと映画デートを楽しみたい

という婚活女子は、ぜひ参考にしてみてくださいな。

※盛大なネタバレが含まれるので、まだ映画を観ていない人は読まないでください。

この記事の内容:外国人彼氏と映画『国宝』を2倍楽しむ方法がわかる

【国宝】あらすじをおさらい

それじゃあまずは、ざっくりあらすじをおさらいしておこう。

任侠の世界に生まれ、目の前で父親を殺された15歳の少年・喜久雄。

有名な歌舞伎役者・花井半二郎に引き取られ、その息子・俊介とともに修行を積んでいくというストーリー。

映画館で開演待ってたらさ、

「ヤクザの息子が吉沢亮、歌舞伎の御曹司が横浜流星」

って聞こえてきて振り返ったら、おばあちゃんいっぱいおった!笑

すごい年齢層高くてびっくりww

あんなに映画館におばあちゃんいっぱいいるの見たことない(笑)

国宝の観客、年齢層高め。

公開から2カ月近く経っても満席。

映画が長崎からスタートする理由

そして映画は、1964年の長崎からスタート。

親戚を原爆症で亡くし、唯一の肉親だった父親まで殺された喜久雄は、15歳で天涯孤独になってしまう。

で、最初に疑問に思ったのはここ。

歌舞伎がテーマやから、東京か京都か大阪が舞台なんかなと思いきや、なぜ長崎?

もう一つの被爆地・広島でも物語は成立するのに、なぜ長崎?

と思ってたら、原作者の吉田修一さんが長崎出身とのこと。

(外国人彼氏と一緒に観るなら、こういうプチネタを話すといいと思う)

2025年、もし喜久雄が生きていたら76歳。

私の叔母さんと同い年やった。

戦争を風化させたくないという意志を感じた。

ひと言メモ:原作者の出身地が長崎。

殺人未遂を犯したのに、なぜ1年で出所できた?

亡き父親と同じように背中に刺青を入れる喜久雄。

めちゃくちゃ痛そう…。

そういえば、この前パリピ弁護士が新しいタトゥー入れて「9時間かかった」って言ってた。

9時間ずっと痛かったらしい。

日本旅行中、タトゥー入ってるっていう理由で温泉とかプール断られてんけど、その背景もこの映画でわかってもらえると思う。

話を『国宝』に戻すね。

幼馴染と一緒に父親の敵討ちに向かう喜久雄。

これも任侠の世界を感じるよね…。

結局、未遂に終わって、1年後に大阪の歌舞伎役者・花井半二郎(渡辺謙)の元に引き取られた。

ここで思ったよね。

殺人未遂やのに1年で出れるか?

って。

こういうところ、彼が弁護士っていうのもあって結構聞かれる(前、東野圭吾の小説プレゼントした時も「どうして犯人は正当防衛を主張しなかったんだろう?」って聞かれた)

というわけで、刑法を調べてみると…

第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。

第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

刑法

つまり、殺人未遂であっても死刑、無期懲役、または5年以上の懲役になる

なぜ1年…?

考えられることとしては

  • 少年法が適用された(15歳は刑事責任能力あり)
  • 情状酌量等による減刑になって、執行猶予付きの判決を受けた(殺人未遂の場合だと、約30%に執行猶予がつくとのこと)

懲役3年以下であれば執行猶予が付く可能性がある。

例えば、懲役3年、執行猶予5年の場合、執行猶予期間中の5年間に犯罪を犯さなければ、刑務所に行く必要はない。

喜久雄が1年後に出てきたのは、裁判で1年くらいかかってたのではないかと考えられる。

映画では詳しく触れられてなかったけど。

ちなみに、少年法は英語で

  • Juvenile Act
  • Juvenile Law

っていうよ。

喜久雄は少年法が適用された/執行猶予付きの判決を受けた可能性。

16歳から始めて歌舞伎役者として大成できるのか?

歌舞伎の世界に入った16歳の喜久雄。

半二郎の奥さん・幸子(寺島しのぶ)が「こんな大きな子…」って言ってたけど、普通、歌舞伎って幼少期から始めるよね。

世襲制やから。

喜久雄と同い年の俊介(横浜流星)は、インタビューの時に「よちよち歩きの頃からやってます」って言ってたし。

長崎の頃から見様見真似でやってたにしても、ものすごいハンデがあるわけで。

並大抵の努力じゃ追いつかれへん。

引き取られてから初舞台までの7年間、一度も稽古を休まなかった喜久雄。

毎日殴られて青あざができるほどのスパルタ指導を受けてきた。

こういう体罰も昔の日本では普通やったんよね。

法律で禁止されたのは2020年(児童福祉法の改正)

たった5年前。

昭和、平成、令和元年にも容認されてたという事実に驚かされる。

世界的に体罰禁止の動きが進んでいて、日本は遅れを取っているという印象。

日本で体罰が禁止されたのは2020年で割と最近。

お茶屋デビューした日の「予約」

学校帰り、俊介に連れられて祇園のお茶屋さんに行く喜久雄。

初めてのお茶屋遊びで出会った芸妓・藤駒が言ったのがこれ。

うちはあんたにするわ。2号さんでも、3号さんでもええ

え、10代で…?

こんなこと言う?

年なんてすぐ取るもん。予約

なんていうか…

すごいなって思った。

きっと自分は1番になられへんって最初からわかってたんやろうな。

あの若さで。

実際に、喜久雄には長崎時代から付き合ってる春江がいた。

「ああ、私は30代になっても全然わからへん」って思った。

隣の映画館で鬼滅上映してたんやけど、鱗滝さんに「判断が遅い」って言われそう。

なぜ半二郎は代役に喜久雄を選んだのか?

話は進んで、半二郎が事故に遭って『曽根崎心中』のお初の代役を決めるシーン。

順当なら息子の俊介のはずやった。

でも、半二郎は喜久雄を選ぶ。

なぜか?

これは、10代の頃に半二郎と俊介が演じた歌舞伎の演目『連獅子』と関連してるみたい。

親が子どもを谷底に突き落とし、駆け上がって来た子どもだけを育てるという「獅子の子落とし」に由来するストーリー。

二日酔いのまま舞台に立つ俊介への“子落とし”やった。

動揺を隠せない俊介と喜久雄。

俊介のお母さん(寺島しのぶ)が半二郎に「考え直して」って訴えかけるシーン、涙が出そうやった。

なぜかお母さんに感情移入するさっちゃん。

寺島しのぶの関西弁も素晴らしかった。

(寺島しのぶが本当に歌舞伎役者の娘っていうのも、外国人彼氏に説明してあげるといいと思う)

両親がいて何不自由ないボンボンの俊介と、歌舞伎を失ったら行き場のない天涯孤独の喜久雄。

そりゃあ覚悟が違うよな。

半二郎が喜久雄を選んだこと。

ここからストーリーは急展開を迎える。

歌舞伎の演目『連獅子』の背景知識があると、より楽しめる。

春江はなぜ俊介と出て行ったのか?

そして『曽根崎心中』の初日。

俊介が楽屋に行くと、喜久雄は震えていた。

「俊ぼんの血ガブガブ飲みたいわ…守ってくれる血が俺にはないねん」

「芸があるやないか」

震えが止まらない喜久雄に代わって目張めはりを入れてあげる俊介。

しかし幕が開けると、俊介は涙を流しながら出て行ってしまう。

『曽根崎心中』のお初と同じように、俊介の手を引いて劇場を後にする春江。

え?

「喜久ちゃんおらんかったら生きていけん」って言ってたのに?

喜久雄と一緒に背中に刺青入れたのに?

ここが最大の「え?」ポイントやった。

でも、この前に春江は喜久雄のプロポーズを断ってたんよね。

その返事が「喜久ちゃんは役者さん。いまが登り坂の大事なとき。うち、うんと働いて喜久ちゃんの一番のご贔屓さんになる」。

でも、俊介だって役者やし、喜久雄と同い年だよね?

しかも、後に俊介と結婚するわけで。

だから、これは春江の嘘なんよね。

その証拠にプロポーズ断って喜久雄が出て行った時、春江は肩を震わせて泣いてた。

この春江を演じたのは高畑充希ちゃん。

『1122 いいふうふ』でも琴線に触れる演技を見せてくれた。

で、「ああ、断るときの理由って嘘なんやな」って思った。

マッチングアプリで知り合ったけど会えない時の理由が「忙しい」とか、付き合ったけど別れる時の理由が「僕にはもったいない」とか、あれ全部嘘。

相手を傷つけないための嘘。

よく考えたら、喜久雄は春江の顔を一度も見てなかった。

長崎から大阪まで追いかけてきて久しぶりに再会した時も、スナックで会った時も、プロポーズした時でさえも。

耐えられへんかったんやと思う。

自分はどれだけ愛しても、愛してくれない喜久雄のことが。

歌舞伎に取り憑かれた喜久雄の中に、自分の居場所はないってわかってしまったから。

だから、自分から離れた。

目は口ほどに物を言う。

どんなに口で好きって言っても、目を合わせようとせん男はあかんなと思った。

まぁだからと言って、「そんな同じコミュニティの中で恋愛せんでよくないか?」とも思うけど。

そうして、春江と共に姿を消した俊介。

「芸があるやないか」

あの言葉を残して。

『曽根崎心中』の舞台は大阪の露天つゆのてん神社で、お初にちなんで「お初天神」と呼ばれている。

喜久雄を追いかけて長崎から大阪に出てきた春江にも居場所はなかった。

なぜか涙が出そうになったお墓参りのシーン

時は経ち、半二郎、半二郎の奥さん、喜久雄の3人でお墓参りに行くシーン。

俊介がいなくなって8年の年月が流れていた。

「え、ここでお墓参りということは…もしかして俊介の…?」

と思ったら、先代のお墓参りやった。

俊介はまだ消息不明。

糖尿病を患った半二郎は、まだ目が見えているうちに白虎びゃっこに襲名したいとのこと。

お?

これって松本幸四郎が白鸚はくおうになったアレ?

もしかしたら松本幸四郎がモデルなんかな?って思った。

私が子どもの頃、松たか子のお父さんが松本幸四郎で、お兄ちゃんが市川染五郎やった。

(なんで親子3人とも苗字違うねん!紛らわしいなwって思ってた)

今は、松たか子のお兄ちゃんが松本幸四郎で、甥っ子が市川染五郎になってる。

あ、よく考えたら半二郎って数字も入ってるし、白虎も“白”が入ってるし、めちゃくちゃ似てる!

(ちなみに喜久雄も歌舞伎の世界に入って、東一郎に名前変えた)

あ、そういえば、市川染五郎も隠し子騒動あったな…。

喜久雄も藤駒との間に女の子が生まれてた。

そして、白虎への襲名を決めた半二郎(渡辺謙)は、喜久雄に半二郎を継ぐよう勧める。

これに半二郎の奥さん(寺島しのぶ)が大反対。

俊介にとって、名前が唯一の頼りとのこと。

あんたかて辞退して!」って喜久雄に訴える俊介母。

またもや涙が出そうになるさっちゃん。

なぜかお母さんの気持ちがよくわかった。

あ!

今書いてて思い出したけど、寺島しのぶと市川染五郎って昔付き合ってなかった!?

たしか結婚の噂もあったとか…。

ああ、なんか胸が痛い。

こういう記憶もあってか涙が出そうになった。

寺島しのぶの気持ちに感情移入しすぎて泣きそうになるさっちゃん。

襲名後、喜久雄が干された理由

白虎と半二郎のW襲名式の途中、突然吐血する白虎。

「俊ぼん…俊ぼん…」

喜久雄の隣で息子の名前をずっと呼んでいた。

半二郎の名を譲っても、最後に呼ぶ名前は喜久雄じゃなかった。

「この世界、親がないのは首がないのと同じや」

襲名の前に、半二郎が喜久雄に対して言うシーン。

白虎亡き後、ほんまにその通りになる。

三代目半二郎としての喜久雄は、セリフももらえなくなった。

『曽根崎心中』でお初を演じたのに。

俊介が悔しくて情けなくて姿を消すほど素晴らしい演技やったのに。

後ろ盾を失うと失脚するのは、平安貴族と同じ。

父親を亡くした一家は没落していく。

なぜ私がこんなに父親の死について考えを巡らせてしまうのかについては、こちら↓

半二郎に襲名しても、周りは敵だらけの喜久雄。

まさかの俊介が歌舞伎界に復帰

喜久雄は先代(白虎)の借金を肩代わりするけど、誰も助けてくれない。

これは育ててもらった恩もあるんやろうなと思う。

15歳からお世話をしてもらった恩。

歌舞伎の稽古をつけてもらった恩。

孤軍奮闘する喜久雄。

と、そこへ俊介が帰ってきた!

失踪から10年。

なんと春江との間に男の子も生まれてた。

この喜久雄と俊介と春江が再会する場面、なんか見たことあるなと思ったらウェスティン都ホテル京都やった!

彼と一緒に何度か泊まったホテルやねんけど、朝食が美味しい&プール&温泉あるからおすすめ。

で、話を映画に戻すんやけど、10年間何してたん?って思ったら、ドサ回りをして芸を磨いてたらしい。

戻ってきて早々、大役に抜擢されるわ、人間国宝・万菊の稽古を受けるわ

歌舞伎界のプリンスが復帰!

とテレビでも、もてはやされる俊介。

歓迎されるのかよ…

引用:黒子のバスケ

と思ったよね。

やっぱり血なのかな…と思わざるを得ない状況。

もともと干されていた喜久雄の立場はどんどん苦しくなっていく。

喜久雄、ついに歌舞伎界から追放される

さらに、喜久雄の出自、背中の刺青、隠し子の存在がスクープされる。

もちろん誰も助けてくれない。

そんな中、喜久雄に好意を寄せる女性がいた。

名門歌舞伎役者の娘・彰子あきこ

あれ?彰子と結婚したら、後ろ盾を得られるのでは?

と考えてしまったのは、さっちゃんだけじゃなかった。

喜久雄も同じ考えやった。

それほどまでに歌舞伎への思いが強く、それほど追い詰められてた証拠。

これに対して、彰子の父親は大激怒。

こいつは、お前のことなんて愛しちゃいない!

と言って、彰子の前で喜久雄を殴打。

うん、お父さんの言ってることが正しい…。

悲しいけど。

すると、彰子は「出ていく!」と言って喜久雄を介抱するのであった。

策略がバレて絶望と共に歌舞伎界から追放される喜久雄。

利用されたと知っているのに、それでも健気に喜久雄を支えようとする彰子。

いつかほんまに振り向いてくれると思ってたんやろうな。

若いしお嬢様やし世間知らずやから、わからんかったんやろうな。

喜久雄は誰も愛さないってこと。

春江の時もそう。

藤駒の時もそう。

彰子の時もそう。

喜久雄は好意を向けられたら付き合うけど、決して愛さない。

一見好意に応えたように見えるけど、決して相手を受け入れない。

美しく生まれたが故に、周りを魅了してしまう不幸。

歌舞伎に取り憑かれた悲劇。

娘の前でも「日本一の歌舞伎役者になれたら何もいらん」って言ってた。

高校生の時、お茶屋遊び慣れしてる俊介の方が女遊びするイメージやったけど、喜久雄の方が不幸な女を量産してた。

ああ、私若くもないしお嬢様でもないのに何もわからんかった。今もわからん」って彰子を見て思った。

そして、花井家を後にする時、「一門の名を汚してすみません」と頭を下げる喜久雄に対して、何も言わずに孫のところに行く幸子(寺島しのぶ)。

「ああ、やっぱりこの人は血を何よりも大切にする人なんやな」と思った。

代役が決まった時も、襲名の時も。

そして今度は孫。

「歌舞伎の世界は世襲制だろ。今は一緒に舞台立たせてもらっても、最後に惨めな思いするのはあんただよ

喜久雄の初舞台が決まった時に投げかけられたこの言葉を思い出した。

彰子のお父さん役を演じた中村鴈治郎がんじろうは、吉沢亮と横浜流星に歌舞伎指導した本物の歌舞伎役者で、人間国宝・四代目坂田藤十郎の息子。

その後、彰子はどうなった?

俊介が脚光を浴びる中、ドサ回りを続ける喜久雄と彰子。

出口の見えない中での時間は、苦痛以外の何物でもない。

挙げ句の果てに酔っ払いに絡まれるわ、暴行受けるわ…。

屋上でお酒をあおる喜久雄を見て「あ、吉沢亮がお酒飲んでる…!」って思ってしまって、一瞬大丈夫かな?って思ったよね。

と同時に「あ、もしかしてこのプレッシャーでいっぱいお酒飲んじゃったんかな?」とも思った。

歌舞伎の稽古に1年半かけたらしい。

1年半であんなに習得できるって吸収力すごいよね。

話を映画に戻そう。

お酒をあおる喜久雄に「もうやめよう」と言う彰子。

ここでもやはり彰子の顔を見ようともしない喜久雄。

「もういいよ」と言って彰子は立ち去ってしまう。

その翌日、人間国宝の万菊が喜久雄を呼び出す。

90を過ぎ、死期が近づいていた万菊がやっと喜久雄を認めた。

子を持たず芸を重視した万菊と、何よりも血を大切にした幸子。

この二人が対照的やった。

結果的に、喜久雄がドサ回りに費やした月日は4年。

これ、4年後に呼び戻されるってわかってたら頑張れるけど、この地獄みたいな時間がいつ終わるかわからんのに、こんな続けられるやろうか。

歌舞伎に復帰した喜久雄の隣に彰子はおらんかった。

きっと、いつまで経っても自分を見てくれない喜久雄に愛想を尽かしたんやろうな。

あの屋上で。

原作では、彰子と喜久雄は結婚してた。

血を受け継ぐ者

十数年ぶりの喜久雄と俊介の舞台。

その中で、俊介の足に異変が起こる。

「またかいな…」

と思ったよね。

お父さん(白虎)も舞台の上で吐血したし、今度は何…?

と思ったら、糖尿病で左足が壊死していると判明。

切断しないと命に関わるとのこと。

襲名式で吐血した白虎。

舞台で足を引きずる俊介。

「あ、血は争えないんやな」と思った。

芸を受け継ぐのも血であれば、病を受け継ぐのもまた血。

左足を切断し「曽根崎心中のお初を演じたい」と言う俊介。

相手役を演じる喜久雄。

実は、右足も壊死が始まっていた。

喜久雄が代役で演じた時よりも、俊介のお初の方が鬼気迫ってる印象を受けた。

それもそのはずで、これが俊介の最後の舞台になる。

喜久雄が俊介の息子・一豊に稽古をつけるのは恩返しなんやろうなと思った。

喜久雄の背中に入ってるミミズクには「恩返し」の意味がある。

喜久雄、人間国宝へ

俊介が他界してから16年後。

喜久雄は人間国宝に選ばれる。

ついに、悲願が達成した。

そのインタビュー中、女性カメラマンにこう尋ねられる。

「藤駒という芸妓を覚えてますか?」

「覚えてるよ、綾乃」

喜久雄の娘やった。

わかってたんやね、やっぱり。

親子やから。

血は争えないから。

恨み言を並べながらも

「お父ちゃん、ほんまに日本一の歌舞伎役者にならはったんやね」

と喜久雄の演技を賞賛。

綾乃のセリフが多い、説明台詞いらないっていう意見もあるけど、これ綾乃が言うから意味があったんやと思う。

喜久雄にとって唯一の肉親、血のつながった娘が認めたっていうことやから。

父親と思ったことは一度もなくても、どんなに恨んでても、ここだけは「お父ちゃん」って昔の呼び方で呼んだ。

天涯孤独の喜久雄にとって、欲しくて欲しくてたまらなかった歌舞伎の血。

それは手に入らんかったけど、芸を極めた先に、自分の血を分けた人間が認めてくれた。

そう思うと、涙が出そうになった。

そして、人間国宝に選ばれた時の演目『鷺娘さぎむすめ』の客席には春江がいた。

若い頃の「一番のご贔屓さんになる」という約束を果たしてくれた。

自らの意思で歌舞伎以外のすべてを犠牲にしたけど、喜久雄の人生捨てたもんじゃないなと思った。

『鷺娘』は、人間に恋をしてしまった白鷺が叶わぬ恋に苦しみながら息絶えるという物語。

映画を見た後の余韻に浸る

以上、国宝の感想でした。

長々と語ってしまったけど、あっという間の3時間。

その中で、お母さんの気持ちになったり、子どもって尊いなって思ったり、なんていうか胸にグッとくるものがありました

みんなはどうやった?

小説を合わせて読むと、より理解が深まるはず。

よかったら感想教えてね。

「私はこう思う」とか「このセリフはこう解釈した」とか、みんなで意見交換できたら嬉しいです。

コメントお待ちしてます!

最後まで読んでくれてありがとう。

さっちゃんでした。

じゃあまたね!

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